紅葉の季節を迎える 賀茂川
現在、コロナ禍の火中にある日本は、医学的見地からの意見と経済を動かそうとする見地との相反する2つの意見の中で、難しい舵取りを、リーダーたちは、選択しなければなりません。
まず、政府・官僚たちの中で、好ましくないリーダーたちは、保身のために、自分の地位保全だけを考え、責任が自分には来ないように、立ち回る政治家、官僚たちです。
日本は長い間、物質的に恵まれた「飽食時代」という温室の中に居ることができました。
ですから、どのような人がリーダーになっても、舵取りは難しいものではなく、ずる賢く、自分に責任が来ないように、マニュアル通りにしか動かないで、国民のために何もしなくても、暗躍できたのです。
マニュアル通りに動くだけで、良いリーダーのように、振る舞うことかできたのです。
いや、むしろ、「自分の地位保全のために、マニュアル通りにしか動かない人間だけが、日本の上層部に生き残ってしまう社会」、これが、今までの、日本社会だったのです。
しかし、現在、私たちは、コロナ禍の中で、戦時中と同じような苦難を経験している最中、日本を支えなければならないリーダーの中に、「責任のなすり合い」をして他人事のように、マニュアル通りにしか動かないリーダーが誰なのか、国民にも分かる「良い機会」を得ているのです。
現在、日本の真のリーダーはどうあるべきなのか、真剣に問い、国民自身が、「どのようなリーダーを、私たちは選択すべきかを、考える機会」を得ているです。
まず、政府から、見ていきましょう。政府がまず、できることで、しなければならないことは、「お金の拠出」です。
専門家の話によると、「コロナ禍で苦しんでいる人たちを救うには、30兆円以上の予算が必要」とのことです。
しかし、現在、政府は補正予算さえ使い切るのを躊躇い、十分な計画をも立てられずにいるのではないでしょうか。
コロナ禍が起こるまで、多くの国民は、法律通り、税金を支障なく払っていたのです。その様な国民の中の今現在苦しんでいる人々を救わずして、自分の地位保全しか考えないリーダーたちに任せるならば、日本の社会は「弱い立場の国民だけを切り捨てしまう社会」になってしまいます。
「コロナ禍が無ければ、家族と平穏に暮らせた人々のために、今、お金を使わないで、いつ使うのですか!」と、言動して、実行するリーダーを私は待ち望みます。
知事の中にも、保身のため、「政府と責任のなすり合い」をしている知事もいるかもしりません。
しかし、実際、地域で事情は様々なのですから、最前線で戦うのは、知事です。
政府は知事たちそれぞれが決断できるように、「実弾であるお金」を拠出しなければなりません。
知事に求められる資質があります。私は2つのものが必要だと考えています。
私の滞在していたイスラエルには、「ヤド ヴァシェム(諸国民の中の正義の人)」という賞
があります。受賞する時に渡されるメダルの裏側には、次のように書かれています。「一人の人の命は、この地球よりも重たい。」
この考え方がリーダーには必要なのです。
2つ目は「愛」です。知事にとっては、「自分が守らなければならない地域住民への限りない愛情」、すなわち、「地域愛」が必要です。
自分の地位保全を第一に考える知事は、マニュアル通りにしか動けず、何もできません。
それに対して、「人命の重たさと地域愛」を心の中心に添える知事は、たとえ、失敗をしても、これからの歴史が、その知事は正しかったことを証明してくれます。
この意味で、最も私の理想に近い「知事」は、大阪府知事です。
彼のコロナ禍での方策には、「人の命の尊さと大阪に対する限りない地域愛」が中心に存在します。
そして現在、大阪府知事は新しい決断をする立場に追い込まれています。
大阪府が今進もうとしている道は、正しいとは思いませんし、私は違う意見を持っています。
しかし、コロナ禍は未曾有の出来事です。大阪府知事が正しいのか、私の持論の方が正しいのか、何が正しいかは、「神のみぞ知る事」です。
大阪府知事の方針は、自分の保身のためでなく、すべて、府民に対する「人命の尊さと地域愛」から出た発想ですから、たとえ、結果が失敗のように見えても、その結果は、未来の大阪府民の「宝」となり、知事は、その経験によって、より最善の方向へと、府民を導けることかできるのです。
「最後の授業」で有名なランディー教授も、次のように述べています。「経験(成功へと導くもの)というものは、手に入れたいと思うものが、手に入らない時(失敗した時)に、初めて手に入るものなのです。」
大阪府知事が発令する方針は、「功を奏する」のか、「効果があまりない結果」に終わるのか分かりません。
しかし、大阪府知事の発想は、「人命の尊さと地域愛」から出ていますから、たとえ、失敗という結果になっても、長い目で見れば、「大阪は、経験という宝を手に入れ、正しい道を歩んでいる」ということを、将来、「歴史」が証明してくれるでしょう。
結 論
政府高官や官僚や知事の皆様、どうか、今までのように、「保身のために、マニュアル通りにしか動かない」という姿勢を改めてください。
大切なのは、何をするかではなくて、「命の尊さと国民への愛」に基づいて考え、行動することです。保身のために「失敗」を恐れてはいけません。
今は、もはや日和見をしている猶予はありません。失敗を恐れて、何もしなければ、取り返しのつかない所へ、日本国は追い込まれます。
勇気を持って、謙虚に、自分が正しいと思う一歩を踏み出せば良いのです。
ただ大切・不可欠なのは、「忖度」ではなく、「命の尊さと国民を愛する」という信念を心の奥底に据えることなのです。