晴 天 の 賀 茂 川 京 都
私は、マスコミの報道を、「そのまま鵜呑みにしてはいけない」と思っています。私にこのような考えを与えたのは、「私の若い頃のある経験」に起因します。
私は、若い頃、高校教師で、野球部の監督を任されていました。軟式テニスが専門でしかない私にとって、高校野球の監督は大きな負担でした。
しかし、その当時、他の教師の中には、やり手がなく、外部から監督を招聘する予算もありません。私がやるしか選択肢はなかったのです。
グランドも狭く、選手も経験者はほとんどいません。それに加えて素人の監督ですから、強くなれる要素はなかったのです。
それでも、チームも私も夏の地区予選初勝利目指して、強くなろうと、日々努力しておりました。
そんな中、某テレビ局からの数週間の密着取材の申し出がありました。私はその取材を受けることに躊躇しておりましたが、選手全員が乗り気で、私に、「ぜひ、承諾しろ」とのことでしたので、テレビ局の申し出を受けることになりました。
監督である私は、毎日の練習で、ノックを百本以上します。テレビ局のスタッフは、「ノック練習の撮影をしたい」ということなので、数日間ノックの練習の撮影を受けました。生徒たちは、努力をし、私も血の汗を流しながらも、ノックをしました。
ところが、ドキュメントの場面に使われたのは、生徒たちの努力ではなく、エラーをしている場面と、千回以上ノックしていた時に、私が1球だけ空振りをした場面だけが、放映されていたのです。
ここにマスコミの本質があります。マスコミは、「事実をありのままに伝える」のではありません。
「報道者の意志・目論見があり、それに適した場面だけが、国民に伝えられる」ということです。
ごく最近、財務省の高橋洋一氏を、国会もマスコミも、「さざ波・笑・笑」で、国民の眼前でパッシングして見せました。野党の党首と呼ばれるような人まで、高橋氏を攻め、マスコミも、「さざ波・笑・笑」だけ載せて、国民の怒りを煽りました。
私は、これは、マスコミの「不当な煽り」だと考えています。
最初、国民に給付金など考えていなかった財務省に、高橋氏は、数学者としての才能を発揮し、補助金を使うことを提案し、実現させました。国民を救ったのは、高橋氏です。
高橋氏が使った「さざ波・笑・笑」の意味は、「欧米の感染者の数に比べれば、日本の感染者数は、2桁少ない数。これで、医療大国の日本が病床逼迫しているなどというのは、可笑しい。コロナ禍が始まった後の1年の間に、なぜ、政府・日本医師会は、法整備をして、前向きに病床数を増やすことがでなかったのか? おかしいでしょ。」これが、彼の「さざ波・笑・笑」の示すところです。
財務省のリーダーは、国民に補助金を出すことに、今でも前向きではありません。
その中で、孤軍奮闘、国民のために、お金を使うことを推進しているのが、高橋氏ではありませんか。
亡くなった方たちや、最前線で苦悩する医療従事者の方に敬意を表しても、その方たちを軽視する発言は、何処にもありません。
ただ、マスコミが「さざ波・笑・笑」だけ国民に伝え、高橋氏の本当の真意を伝えなかったからではありませんか。
そこには、私の時と同様、何か目論見があるのではないですか。お答えください。
先日、医師会会長が、医師会の支援している国会議員の「政治資金パーティー」に出席していたとの報道がありました。
財務省の高橋氏の時とは、反対に報道が少ないのはなぜでしょうか。
国民に、「さらに自粛しなさい」と訴えている最中に、一種の金儲けである「政治資金パーティー」になぜ出席出来るのですか。
弱い立場の飲食店には、金儲けは自粛しなさいと言って、自分たちはかまわないのですか。
ある意味、総理大臣が「パーティー」に出席するより、罪は 重いと考えるのですが、いかがですか ?
しかも、問題は、医師会会長個人の質の問題ではなく、日本医師会幹部14人全員が出席していたということです。
これは、「個人の判断ミスの次元を越えた事件」ではないのですか。
私は、高橋氏同様、コロナ禍の中、最前線に居られる医療従事者の方々に、尊敬の念を持っております。私の論点は、
「医療大国であるはずの日本が、医療従事者の約4割の方々だけに、コロナ禍負担をかけているところです。
しかも、これからさらに、コロナ禍負担が、その4割の医療従事者の方々だけにかかってしまうシステム改定に、政府と共に、法整備をして、日本医師会が、この1年間、なぜ着手できなかったのか」というところです。
1年間、なぜ、日本医師会は、政府と協力し、法整備して、残りの約6割の医療従事者から志のある医療従事者を援軍として送ることをしなかったのか、逼迫数を示す、分母になる病床数を、なぜ増やせなかったのかということです。不思議でなりません。
先日の政治資金パーティーでも分る様に、日本医師会の支援を受けている議員がたくさん居るのに、日本医師会は、政府と協力して、法整備を伴ったコロナ禍支援策を作り上げることができないのはなぜでしょうか。
日本医師会は、1年間、国民に「さらなる自粛」を求めるだけではなかったのですか。
日本医師会に意志あれば、「法整備を伴ったコロナ禍支援策」は出来た事と考えるのですが、いかがでしょうか。
このことに、マスコミは、なぜメスを入れないのでしょうか。
先日、野党の党首たちは、公人、財務省の高橋洋一氏を非難して攻めましたが、なぜ、日本医師会の件については、口を噤むのですか。
マスコミには、「この事についても、深く掘り下げていただくのが、マスコミの正しい姿勢」と考えるのですが、いかがでしょうか。
現状では、公人、日本医師会会長の辞任を求めない与党も、野党も、マスコミも、私には、不思議でなりません。
これでは、与党は勿論のこと、マスコミも、野党も、力のある圧力団体には、何か目論見を持って「忖度している」と国民は考えるのではないでしょうか。
いかがでしょうか?