夏 の 加 茂 川 夕 暮 れ 京 都
オリンピック・パラリンピックで活躍したアスリートたちは、それぞれ「10人の教師より勝る」存在です。
現在、私は定年を迎えた元教師です。現役時代、「教育」について大切な事を、生徒たちから学びました。
若い頃、私は教師として、「自分は、他の教師よりも、教え方が上手く、分かり易い授業が展開できる」と、傲慢にも自負しておりました。
10数年、野球部の監督した後、20年程、バスケット部の顧問をした時のことでした。
「バスケットの経験者がいない」ということで、たまたま、私はバスケット部のコーチ・監督を引き受けることにしました。バスケットは素人でしたが、20年間、バスケット部の顧問経験があるのに加えて、ヴィデオでも、バスケットの技術も勉強していたので、自信があったからです。
しかし、上手くはいかず、生徒たちを育てることができませんでした。
なぜなら、どれだけ口で説明できても、身をもって技術を教えることがでなかったからです。それに何よりも、実績がありません。
教育には、教える側と学ぶ側に信頼関係が必要なのです。教師がどれだけ正しい事を言っても、学ぶ側の生徒たちが、「それは本当に正しいのだろうか」と疑念があれば、教えてくれる人に信頼感が持てずに、技術は身に付かないからです。
しかし、オリンピック・パラリンピックで活躍したアスリートたちは、10人の教師より勝ります。結果を出し、実績があるからです。
子供たちにとって、「生きた手本」となります。「努力すれば報われる」という事を、子供たちに示しただけでなく、努力することの大切さを教え、夢と希望を子供たちに抱かせ、「忍耐して、乗り越える事が大切」という事も、子供たちに実績を示して教えたのですから。
貴方たちは、「10人の教師よりも勝る」のです。