希望の約束の象徴 「虹」
私がどのように、在日韓国・朝鮮の生徒たちに接して来たかを、ご紹介することで、若い教師の皆さんに役立てばと願っています。
日本はご承知のように、大和民族・アイヌ民族・沖縄民族・中国民族・韓国・朝鮮民族等が国民として存在する「多民族国家」です。ただ、大和民族以外の少数民族の方々に、私達、大和民族と同じ権利が与えられているとは限らないのが、日本の現状です。
在日韓国・朝鮮民族の方々は全国に居られ、関西では、特に、他の地域よりも多く居られます。
担任をしていれば、必ずクラスで在日韓国・朝鮮民族の生徒たちに出会います。
この生徒たちに、「アイデンティティ」について相談に乗ることや、サポートすることは、担任の大切な仕事です。
在日韓国・朝鮮民族人のアイデンティティは、2つの両極の間の何処かに位置することになると私は考えています。
一つ目の極は、「多民族国家、日本の一員として生きる。」というものです。
しかし現在、日本は、少数民族の方々にとって、暮らしやすいとは絶対に言えない社会です。心ある大和民族の人と協力して、「日本をさらに良い社会にしよう。」という生き方です。
もう一方の極は、「自分たちのルーツである朝鮮半島が現在不幸な状態にあります。日本に居住し、半島の平和統一に重点を置きながら生きる。」というものです。
私はいつも、在日の少数民族からの生徒たちに、「私は大和民族の人間なので、日本人として一緒に理想の国家を築いて行ってほしい。」と私の我が侭な願いは伝えます。しかし、それ以上の介入は厳禁です。
なぜなら、生徒がどのような「アイデンティティ」を持つかは、家族の伝統・意見を踏まえて、それらを熟慮して、本人自身が決定しなければならない事柄だからです。
本人が自分の生き方を明かしてくれたり、悩みの相談を受けたりしたら、その時は、担任の出番です。励まし、サポートしてあげれば良いのです。
若い先生方に参考になればと思います。