イラン対イスラエル 最も危険な戦い

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     イスラエル側から見た死海 マサダの遺跡より 1979年

   この記事は、2021年4月22日に発表されたブログです。

 

1978年まで、イラン中東におけるイスラエル唯一の友でした。パフレビー王朝時代、イランは、イスラエル危機に陥った時も、石油イスラエルに送り続けたものでした。

 ところが、1978年パレスチナアラブ人エリート助けにより、フランス命していた、シーア派のホメイニ氏指導の下、イラン革成功させ、パフレビー王朝滅亡した後は、イランは、イスラエルにとって、最大の敵してしまいました

 「イラン対イスラエル」の戦い中心エルサレム問題」ですイランをはじめ、シーア派の人々にとって、「エルサレムの異教徒からの解放」は、自分の命よりも大切な課題であり、今でも毎日の祈りの中心で在り続けていますイランの政策は、全てエルサレムの解放」のためであり、その為の戦い「ジハード・聖戦」となり、どんな犠牲を払ってでも、実現させなければならない一生の目的なのです。また、エルサレム解放を成し遂げた者は、イスラムの盟主成れるのです。

 一方、イスラエルにとって、エルサレムはただ単なる首都ではありませんユダヤが国家を創設して以来、エルサレムは「変わらない永遠の都」であり、「聖地嘆きの壁があるエルサレムは、心の拠り所でもあるのです。

 エルサレムは、国家が復活するまでの2000年の間、ユダヤ人が生き抜いてくるための「シンボル」として存在して来ました。

 従って、イスラエルが、エルサレムを首都とするのは、日本人にとっての首都・東京への思いとは、「次元の違う思い」があり、エルサレムを守ることは、先祖からの伝統を伴う「使命」であり、エルサレムは、ユダヤ人にとって、「永遠の恋人」という存在となるのです。

 即ち、、エルサレムを死守するためには、イスラエルはどんな犠牲をも厭うことはないのですエルサレムは自分の命をかけても守る価値のあるものなのです。

 ホメイニ氏の下、イランシーア派の人々エルサレム解放の戦い」は、イラン革命勃発後、内戦・拡張の時代も通して、現在に至るまで首尾一貫した政策でした。

 特に、アメリカ合衆国オバマ氏が大統領であった時代に、イランは、「エルサレム解放の戦い」を大きく進展させることになります。

 「平和利用」と宣言するも、抜け道が多くある「イランの核開発」に、合衆国大統領であったオバマが、合意してしまい、イランは、核兵器をいつでも所持できる状態に、近づくことができました。また、経済的にも楽になったイランは、影響力を及ぼせる「三日月地帯(イラクシーア派・シリア、アラウィー派レバノンヒズボラ)」完成に、一歩手前まで近づくことができました。

 イランは、北朝鮮とは、蜜月の関係にあります。即ち、核とミサイル開発は、協力関係にあります。

 従って、「核合意」をしていても、北朝鮮核兵器を持った同じ道を、イランは必ず辿ります

 このままでは、何れは、イランが核兵器を持つことは、間違いないでしょう。

 我々日本人は、北朝鮮とイランに、核兵器を持たせない為、あらゆる外交努力をしなければなりません。

外交努力とは、制裁も含まれます

 「三日月地帯」の完成にも、その当時、合衆国大統領であったオバマ氏に責任があります。歴代のアメリカ合衆国大統領の中で、オバマ氏ほどの人格者は今まで無かったでしょう。現代歴史を紐解いても、彼ほど、「平和」を口にして、外交を進めようとした大統領は無かったでしょう。

 しかし、「平和」というものを「争わず、殺し合わないで、家族が豊かにに暮らせること」と定義するのであれば、オバマ氏の大統領として決定したことは、殺し合いを生み出し、世界で最も多くの血が流される要因となりました。

 オバマ氏の考え方は、「アメリカの名誉ある孤立主義」に近い考え方です。アメリカの若い兵士たちの血が、他国で流されることを嫌ったオバマ氏は、中東の国々からの撤退を実行しました。

 イラクは、サダム・フセイン大統領が恐怖政治で、統治していた時代、少数派のスンニー派が政権を把握していました。

 しかし、フセイン大統領が失脚後多数派であるシーア派が、選挙で政権を取りますが、それまで政権を取っていたスンニー派の人々に対する報復が始まります。

 「選挙で選ばれた多数派が政権を取れば、民主主義の国が生まれる」という西側諸国の甘い思惑は、木っ端微塵に打ち砕かれてしまいます。

 多くの血が流れ、新たな憎しみが生まれ、その憎しみは、イスラム国」という悪魔・サタンが生まれる要因となっていきました。

 シーア派が政権を取ったので、同じシーア派イランの影響力はさらに、大きくなりました。

 シリアは、もともと、スンニー派の人々が多数派の国ですが、その当時も、今も、シーア派に近いアラウィー派のアサド大統領が政権を握っています。

アラブの春の運動により、シリアは、イラクと真逆に、多数派であるスンニー派が政権を取るはずでした。

 ところが、当時、アメリカ合衆国大統領オバマ氏は、アメリカの中東での影響力をここでも放棄してしまいます

 そこに、専制君主国である、ロシアとイランが入り込み、アラウィー派のアサド氏をそのまま、傀儡政権として残し、イラクを裏から操る国となっています。

アラブの春」と呼ばれた民主主義の波は、イスラエルが予言していたように、「アラブの冬」を生み出し、スンニー派シリア人の多くの血が流され、過去にも例のない悲惨な「シリア難民」を生み出すことになります

 自国の利益のみを追求し、中東に対する無関心・無知のために、当時のアメリカ合衆国大統領の決定が生み出した悲劇です。

 アメリカが「世界の警察」としての役割を放棄してしまったことで、世界のバランスが崩れたのです。

 当時、副大統領であったバイデン現アメリカ合衆国大統領にも、大きな責任があります。

 ロシア・イランと並ぶ専制君主国である中国が、近隣のアジア諸国に圧力をかけるきっかけを作ったのも、中東での、アメリカの無関心・無知、「世界の警察官としての役目放棄」が原因です。

 そして、中国、イラン、ロシアの専制君主国の拡大政策を勢いづかせる要因でもあることを、全世界の人々は知るべきです。

 元々、イスラエルにテロ行為を行って来た「レバノンヒズボラ」を含んで、イランは、三日月地帯を完成させ、「エルサレム解放のためのジハード・聖戦」を開始できるようになったかに見えます。

 現在は、イスラエルとの直接対決ができる直前なのです。

 イスラエルにとって、「三日月地帯の完成」「イランが核兵器を保持すること」は、イスラエルを人間に喩えるなら、「命を狙う盗賊によって、自分の心臓にナイフを突きつけられた状態」と等しいことになります。

 「どんな人でも、命を狙う盗賊にナイフを突きつけられれば、そのナイフを必死に振り払おうとする」のは、自明のことです

 おそらく、イスラエルは自分に突きつけられた「ナイフ」を、全ての手段を使って振り払おうとするでしょう。

 イランが「核兵器」を保持することになれば、瞬時に、サウジアラビアは「核兵器保持国」に変貌し、イランとイスラエルに方向を向けて、自国の核ミサイルを設置するでしょう。

 中東は、「混沌とした三つ巴の争い」となり、最も危険な「世界の火薬庫」となります。

 我々日本人は、北朝鮮に「核兵器廃棄」を迫り、イランに北朝鮮と同じ道を歩ませないため、あらゆる平和外交を行使しなければなりません。

 中東での紛争は、日本に物資輸送を困難にさせるだけでなく世界を破滅させる世界大戦に繋がっているからです。