紅 海 イ ス ラ エ ル 1980年
私は、幻を見ました。私の顔をした日本総理大臣が、首相官邸で記者会見しています。
さて、先日、アメリカ合衆国との2+2会談を通して、中国への態度を鮮明にした我が国ですが、中国は、将来、アメリカ合衆国をも凌ぐ勢いで拡張を続けている隣国です。
日本は、アメリカ合衆国と安全保障条約を結び、アメリカ合衆国の安全の傘に入り続けることには変わりはありませんが、中国という隣国とは、それなりの友好を保つことが、将来、子孫に戦争の火種を残さない為のポイントです。
中国とは、グローバル的な考え方を基本に、友好を結んでいける道を模索しなければなりません。
グローバル的な考え方とは、「地球は、一つの宇宙船であって、日本人も、中国人も、言語・文化の違いがあっても、全民族は、地球という宇宙船の同じ乗組員である。」という考え方です。
とするならば、今まさに、地球環境が破壊され、宇宙船、地球号が、沈没するかもしれない時に、乗組員同士が、「ここは、私の土地だ。貴方の土地ではない」などと、土地の所有権争いをしていることは、愚かなことと言わざるをおえません。
「土地の争いによる国と国との憎しみは、力のバランスが崩れた時に、必ず戦争になる」と、歴史が私達に教えているからです。
このような、中国との現在の危険な関係を、日本の子供たちの時代まで残すことは、「日本の子供たちが恐ろしい戦争に曝される可能性を残すこと」だと私は考えます。
私は、総理大臣として、「そのような、危険な可能性を残したままで、日本の子供たちに引き継ぐことは、絶対にあってはならない事」と考えております。
吉田茂氏を筆頭に、自由民主党の大先輩たちが、「日本国民には、もはや、戦争の悲惨さを経験させてはならない」と国民の大半の反対を押し切って、米国との日米安全保障条約を結び、日本国憲法の平和の思想を実現させたように、私も、大きな提案をここにいたします。
「尖閣諸島は日本の固有の領土である」ということには変わりはありませんが、台湾と中国それぞれの間に、今後100年間は、「所有権については、保留。争わないこととします。」
即ち、中華民国・中華人民共和国それぞれと、「不可侵条約」を結び、尖閣諸島は、「インターナショナル」な緩衝地域として扱い、尖閣諸島の利権については、日本、台湾、中国三者で、公平に開発利用していくという合意をいたします。
これは、「地球号という宇宙船が環境破壊のため、今まさに沈没しようとしている時に、土地合争いなどしている余裕はない」というグローバル的思想に基づいての決断であります。
近い将来には、韓国との「竹島問題」、ロシアとの「北方4島問題」を同じグローバルの考え方で、首相として、政治生命をかけ、
「100年間の所有権相互放棄、インターナショナル地域として、相互開発、利権の公平分配」を実現いたします。
それにより、「子孫の為、隣国との戦争の火種を消し去り、戦争の憂いを取り去ること」を、身命をかけて実現いたします。
しかし、不可侵条約を結んでも、隣国との力のバランスが崩れれば、隣国が、不可侵条約を守るという確証はありません。日本も、災害対策と同様、国防も予算からはずし、お金をかけて、対策を立てていかねばなりません。国防が目指すところは、「ハリネズミ」のようになり、他国が侵略をためらう国になることです。
このために、コロナ禍を含む自然災害対策と併せて、国債を有効利用して、向こう30年で、400兆円を算出し、自然災害からも、他国からの侵略からも、国民を守る為に、「まさかの時」に備えてまいります。
「国民の命を戦争から守り、国民に血を流させてはいけない」という決意は、吉田茂氏や第2次世界大戦敗戦後の自由民主党の大先輩政治家の願いであります。
私も首相として、先輩の意志を引き継いでまいります。
我が党には、世襲議員が多く、その世襲議員の中には、大先輩の願いを理解せずに、好戦的な対決姿勢のみを望む政治家が居られます。
その方たちは、もう一度、自分のおじい様の伝記を読み返してください。
国民から、「政治家は愚かだ」と冷笑されても、「もはや、国民には、戦争の悲惨さを経験させてはならない。」との決意で、おじい様方が日米安全保障条約を結んだかを思い返してください。
イスラエルの格言の一つに、「一人の人の命は、この地球より重たい。」というものがあります。
ホロコーストを経験した民族ならではの非常に意味深い言葉です。この言葉の意味が分からない政治家は、今すぐに、政治の世界から去るべきです。
子孫に戦争の恐怖・悲惨さを経験させないためには、多少の国としてのプライド・国益を犠牲にしなければ、実現できない事と考えます。
吉田茂氏が日米安保条約を結ぶ際、自分の命が狙われるほどの反対があっても決断したように、私も、隣国、中国、韓国、北朝鮮、ロシアとの不可侵条約の締結、インターナショナル地域の創設に、身命をかけて、実現に向かっていくことを、国民にお約束いたします。
苦渋の決断の後、首相の額には、血のような汗が滲み出ていました。その「いばらの道」の持つ「残酷な冷たさ」を感じた時、私は夢・幻から、目覚めました。
上記のものは、夢・幻であって、事実ではありません。